見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2007/01/15

地獄とは今のイラクなのでは

欧米では昔から、上に立つ人が持つべき知恵として「分割して支配せよ」とのことわざがあるそうです。
日本で言うところの「分割統治」は、辞書によれば、支配者が被支配者の間にある民族的、宗教的、経済的利害の対立をあおり立てて、互いに分裂・抗争させることで統治の安定をはかる政策。植民地統治によく用いられた、とあります。
さてさて、素朴な疑問が頭をよぎります。
フセイン元大統領を人道に対する罪で裁くのに、どうしてアメリカは特別国際法廷を設置しなかったのでしょうね。
これまでアメリカの手先として働いてきたフセインの口封じもあるでしょうけど、アメリカが隠れて、ほとんどロンドンに暮らすイラク人の傀儡たちが勝手にやったと見えるほうがいろいろ都合がいいんでしょう。
国内のほうが、民族、宗教の対立をあおり立て、互いに分裂・抗争させる度合いが強まるのは確実。これまでは敗者で、弾圧されてきたシーア派やクルド人が勝者になる、まさしく「復讐リンチ裁判」にふさわしい。
さてさて、
インターネットでフセインの処刑場面が流れているそうです。こんな感じ、、、
首に縄を巻かれリンチされるフセインが「神よ」とつぶやく。祈り。突然誰かがシーア派民兵組織の指導者ムクタダ・サドルの名前を繰り返し叫ぶ。驚いたフセインが「お前たちはこうして男としての勇気をしめすのか」と言うと叫んだ男が「地獄に落ちろ」と罵る。フセインが「それがアラブ人の勇気か」ともう一度ただす。男は「地獄に落ちろ」と繰り返す。これに対してフセインは「地獄とは今のイラクではないのか」とこたえる。
「万歳」の声。フセインの祈り、、、最後の「アラー」の前に落とし戸が開き彼の身体が猛烈な勢いで落下。人々が「独裁者は倒された。神よ、この男を呪え」、「つるしたままにしておけ」などと叫ぶ。
アメリカは処刑がイラク政府主導で実施されたことを強調している。でも、スンニ派アラブ人がシーア派に対する憎悪を強めるのはアメリカのブッシュ政権にとって都合の悪い話ではないよね。
フセインは、捨てられたけど、アメリカの操り人形だった。 クルド人を大勢殺したのは事実でも、犯罪者ではあったけれども、政治的行為でもあった。
イギリスの医学誌「ランセット」によると、アメリカ主導のイラク占領開始からこの内乱状態までに殺害されたイラク人の数は推定65万人。フセインが殺した数より多く、難民の数は340万人にも上る。
でも、アメリカ人は絶対に吊るし首にはならない。

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http://www.yorozubp.com/ (ドイツ在住のジャーナリストの記事です)