見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2007/07/18

新聞を買うとPLANET EARTHがついてくる



マイルス・デイヴィスは自叙伝のなかで、音楽を変革できるのはプリンスだけだと書いている。マイルスが死の間際にプリンスと共演という話がずっとあった。
マイルスが評価したのは音楽の才能だろうけど、プリンスのビジネスの才覚も年頭に置いていた可能性はある。実際、1994年にプリンスは米ワーナーミュージックグループとの契約を打切り、ピアツーピア(P2P)ネットワークでの音楽の共有をいち早く支持する。さらに大物アーティストではあまり例のなかった公式サイトでの曲の販売に乗り出すなど、永いこと革新的な戦略をとり続けている。
だから、プリンスがニューアルバムを無料で配布!と聴いてもたいして驚きはしない。でもね、新聞に綴じて付録にしちゃうなんて、おまけに前日に無料配布のCMをオンエアーするなんて、すごい!と思う。
以下、ワイアードニュースからまとめてお伝えします。
マイルス・デイヴィスが音楽の未来をたくした最大にして最後の希望の星は、7月15日にイギリスの新聞「デイリーメール」の日曜版「メールオンサンデー」を購入したファンに、発売前の最新アルバム「Planet Earth」のCDを付録として無料配布するという計画によって音楽業界を憤慨させている。
(メールオンサンデイを広げるとビニールに入って綴じられたCDをゲットできる)
アルバムをイギリスで発売するはずだったソニーBMG Music Entertainment(UK)は、これに腹を立ててイギリス国内でのアルバム発売を中止した。寝耳に水だったイギリスのCD店も怒りを爆発させている。(日本では「プラネット・アース〜地球の神秘〜」というタイトルで7月25日に発売予定)
複数の小売業者は、一部の消費者のあいだでは音楽は無料で手に入るという認識が広がっていると主張し、プリンスの今回の行動によってその認識がさらに強化されることを問題視している。
メールオンサンデー紙の購読者300万人ほどが、CDを無料で手に入れることは明らかだ。さらに、ロンドンの「O2 Arena」(ミレニアムドームのこと)で行なわれるプリンスの公演のチケット購入者にも同じCDが無料配布されることになっている。
そのおかげと言ってほぼ間違いないと思うが、21回に及ぶ公演のうち、15回は発売から1時間も満たないうちにチケットが完売した。O2 Arenaの収容人数は約2万人で、もし残りの6公演も完売すれば、総売り上げは2600万ドルを超える。
メールオンサンデー紙から支払われた未公開の金額を合わせると「音楽の価値を確実に下げた」と酷評される人物の取り分としては悪くない。
プリンスの新戦略が成功しているのは、このデジタル時代に価値を失いかけているのは音楽そのものではなく、そのコピーだということを認識しているためでもある。アルバムは発売から時間がたつほど、友人のCDにせよ、見知らぬ他人の共有フォルダにせよ、リスナーがコピー源を見つける可能性が高くなる。だが、そうしたコピーの価値がどんどん低くなれば、最終的にはオリジナルのみが価値を認められる。プリンスがメールオンサンデー紙に売ったのは、まさにこの「コピーの発信源になる権利」だ。

プリンスは以前にもアルバム「Musicology」をコンサートで無料配布したことがありました。それに米携帯電話とのコラボレーションでシングル「Guitar」を携帯会社のサイトから無料ダウンロードできたりと、アルバムの配布については積極的な面を見せています。
写真は7月15日のメールオンサンデー紙、うわーかっこいいな。もう一枚は、プリンスが香水を発売したのはご存知ですよね。これはそれを売るメイーシーズの店内です。うわーパープル。