見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2007/08/10

大澤 豊監督の日本の青空


安倍首相は「十代の頃から憲法は変えなくてはならないと思った」と発言していますが、その際に、なにより「憲法の制定過程」が問題だとしています。「占領軍の影響下で制定されてしまった」「私たちの手で作る必要がある」と言ったのです。
ところが、これは事実とは違います。実際には、当時の日本の憲法学者やらその道に通じた7人の民間人が知力を結集して練り上げたものが基本にあったということです。わたしはこの映画を見るまで知らなかった。「GHQによって押しつけられた憲法」というのが定説だったと思うし、そう教えられてきたんだと思う。たぶん安倍首相はこれを知ってもうそぶくでしょう。でもはっきり言っておきたい。憲法を変えたいにせよ護りたいにせよ、日本国憲法は敗戦後の日本人のこころが反映されたものだというのを知っておくべきだと。「おんな子ども」とくくられてはじき出されていた当時の日本人女性に男性と同じ権利を与えたいという声、女性に参政権があったら戦争にはならなかったとした賢い女性の意見を反映させたものであること。この映画を見て、鈴木安蔵のことを知ったなら、少なくとも、アメリカから「押しつけられた憲法」だとはもう誰にも言えなくなります。
ということで今日見てきた映画のこと紹介します。
沖縄戦の実態を語った映画「ガマ 月桃の花」の監督、大澤 豊が作った「日本の青空」です。うちから自転車で30分ほどのところにある中央公民館の大ホールで上映会が行われました。この尋常じゃない暑さにもかかわらず、たくさんの人が見に来ていました。年齢的には中年以上です。でも、これ、若いカップル(コンビニで働くフリーターで司法試験に挑戦する男と雑誌出版社派遣社員の女)の役者がこの憲法の草案を作った憲法学者・鈴木安蔵の物語を語っています。だから若い人もとっつきやすいと思うし、映画としても退屈するような代物ではありません。
監督は何十万ではなく何百万の人に見てほしいと言いました。その通り、とにかく誰彼かまわず大勢が見るべき映画だと思います。憲法が作られた経緯を知って初めて意見を言うべきです。自民党員の総会にでも上映会をやってはどうでしょう。
映画には当時のドキュメンタリー映像が出てきます。沖縄戦の映像は見るに耐えないくらい残酷なものです。たぶん監督の「ガマ 月桃の花」にはもっと生々しく語る映像がきっとあることでしょう。

◇8月19日(日)藤沢市民会館小ホールにて
大澤監督の「ガマ 月桃の花」の上映会があります。
JR藤沢駅または小田急線藤沢駅 徒歩10分 
上映時間:11時・14時・18時の3回 チケット当日・前売り共に1000円
予約・問い合わせ:0466-82-4243(岡村)

お近くの会場で「日本の青空」上映会があったらぜひ見てください。
写真は、日本側とGHQが憲法草案でやりあうシーン、中央にいるのが仲介役の白州次郎