見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2007/09/10

悪魔のようにおかしいコーエン兄弟の新作


ローリングストーン誌のこの秋の映画新作案内ーその3
◇No Country for Old Men
全米公開は11月9日
今年、猛烈で悪魔のようにおかしい「No Country for Old Men」を超える、刺激的に打撃を与える映画はない。ジョエル&イーサン・コーエンが、およそ1980年西テキサスでの悪人とさらなる悪人の撃ち合いについてのピュリッツァー賞受賞作家コーマック・マッカーシーの小説と血縁関係を結ぶ。並外れてひどい髪型(おかっぱが怖い!)死人のように青ざめたハビエル・バルデム(「海を飛ぶ夢」でアカデミー主演男優候補)が悪を次のレベルにもっていく、この殺人マシーンが選ぶ武器は家畜用のスタンガンだ。彼の標的はジョシュ・ブローリンが演じるモス(出世する演技だよ)。狩猟するうちドラッグがらみの大量殺人に出くわしたモスは現場に残された2百万ドルをねこばばして歩き去った。
トミー・リー・ジョーンズがエド・トム・ベル保安官役で無骨な美点という新規格を売り出す。人々が敬称で呼びかけなくなって世の中は悪くなったとの考えを持ち、仕事に必要な倫理観のある保安官だ。
これは、物語の悲嘆に暮れさせる急所を見せることで我慢できないサスペンスに仕立てる、聴衆を惹きつける雄弁家の骨子だ。演技(バルデムの離れわざは絶対に忘れない)から、映画の撮影技術(ロジャー・ディーキンズは、目をくらますような日光の中でも気味の悪い脅威の場所を探し当てる天才だ)に至るまで、この一流作品の卵は、パワー絶頂期にあるコーエン兄弟のものだ。これを見逃したくはないだろう。

「ディボースショー」「レディーキラーズ」と、コーエン兄弟らしからぬ、ファンとしてはものすごく物足りない映画が続いてきました。でも、予告編を見る限り、初期の「ブラッドシンプル」「ミラーズクロッシング」「バートンフィンク」、そして「ファーゴ」あたりまでの「コーエン映画」に仕上がっているようで、公開が愉しみです。なにやらコーエン流の不気味さが感じ取れる西部の風景がとてもいいです。
個人的には「ブラッドシンプル」がいまだに強烈。マフィアの親分アルバート・フィニの運動力と存在感に圧倒される「ミラーズクロッシング」も大好きで、何度見ても(実際何度も見てますが)ハートにずしんときて、どこということなく、全体の映画のトーンに惹かれます。
写真は「No Country for Old Men」の一場面です。