見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2008/04/05

フリー マダム・コロンビア



◇フランス政府が主導して進めてきたイングリット・ベタンクール救出計画だが、FARC側の引き渡し拒否によって進展のない膠着状態に陥っている。そんな状況の中、人質解放を実現させるための期待がベネズエラのウゴ・チャベス大統領に再び集まっている。
金曜日(現地時間)にはコロンビア内外の各都市でベタンクールを含む2800名の人質の解放を求めるデモが「Todos Somos Ingrid Betancourt(私たち全員がイングリッド・ベタンクール)」のスローガンのもとに行われた。
デモには今年に入ってチャベス大統領の仲介のもとFARCから解放された3名、グロリア・ポランコ、クララ・ロッハス、ホルヘ・エドゥアルド・ガチェムも参加した。昨年FARCとの調停役を担ったベネズエラのチャベス大統領は、木曜の夜フランスのサルコジ大統領にベタンクールを迎えに行く際同行する旨を申し出た。
チャベスの調停は、昨年11月に過度の脚光をFARCに与えているとのボゴタ側からのクレームにより中断されていた。にもかかわらず今年1月、2月にはFARCからカラカスの代理人へ6人の人質の引き渡しが行われた。
「私はいつでもサルコジ大統領とともにイングリッド救出へ向かう用意がある。」とチャベスはラジオとテレビ局に電話で行われたフランス大統領との会談の詳細を発表。ベタンクールの姉妹も金曜にサルコジ大統領へチャベスと連絡をとることを要請。「フランスはチャベス大統領と協力してこの問題の解決へ臨むべきだ、なぜならチャベス大統領は連絡方法を確立しているし、彼ならフランス側が送るメッセージを伝達する術も知っているから。」と話している。
フランスからベタンクールを救出するために派遣された航空機はいまも出発の時を待ったまま、コロンビアの空軍基地に待機中だ。FARC からは先日「刑務所に収監されているFARCメンバーの釈放と人質の交換の条件のもとでなければ、人質の解放も新たな交渉もあり得ない」と発表された後、なにも新しいメッセージは出されていない。一方、コロンビアのウリベ大統領もFARC側から出された条件の一つ、コロンビア領内の一定地域の武装解除には応じないとの姿勢は「民主主義を脅かすテロリズムに拍車をかける。」と述べ応じない方針のままだ。
(ラティーナトピックス2008年4月4日)

◇1962年コロンビアのボゴタ生まれのイングリッドだが、最初の結婚でフランス国籍も持つ彼女。33歳でコロンビアの国会議員に初当選し、母国の政治腐敗を一掃し、政治を立て直そうと腐心した。コロンビアで政治活動を続けながら執筆した「La rage au coeur(それでも私は腐敗と戦う)」はフランスでベストセラーに。2002年にコロンビア大統領候補として選挙キャンペーン中に誘拐された。
コロンビアのウリベ大統領はさる29日、同国政府が「微妙な容体」のベタンクールを発見したと発言。30日には、フィヨン仏首相はベタンクール解放の交換条件として、コロンビアの刑務所に収容されているFARCメンバーの受け入れに応じる用意があることを明らかにしており、サルコジ仏大統領はベタンクールの解放を想定し、現地に派遣する医療装備付きの航空機を用意するよう指示した。
コロンビアのベラスケス大統領報道官は、フランスの申し入れを歓迎。フランス、スペイン、スイスの3カ国で編成した医療チームがコロンビアへ向かった。FARCが人質を解放した場合、コロンビア政府は約束通りFARCメンバーを刑務所から釈放する、と述べており、FARCはコロンビア当局に拘束されたメンバー約500人と人質の交換を求めている。
(ラティーナトピックス2008年4月2日)

◇コロンビア=仏が特殊部隊派遣=イングリッド解放で実力行使
仏政府は2日、仏陸軍特殊部隊がコロンビアのジャングルでFARC(コロンビア解放前線)と接触、幽閉中の人質イングリッド・ベタンクールとその他を解放するため潜行したことを明らかにした。
外交ルートでも、彼女の病死を避けるため最大の努力を図った。サルコジ仏大統領は現地からの報告をもとに、彼女がB型肝炎とリーシュマニア症(原虫が引き起こす病気)、マラリア、栄養失調におかされ重体であると発表した。
仏外務省がFARCと折衝し、人権保護の見地から必要な医療設備のある場所へ同氏を移動することで了解を得るために特殊部隊派遣を決定した。しかし、実際は一方的にFARCに対し要求に応じさせるものらしい。
ベタンクールがコロンビア国籍とフランス国籍を有するため、仏政府がFARCに彼女の治療とできれば解放を要請する考えであった。外交的に微妙な問題である。仏外務省は極秘裏にことを進め、詳細については一切を明かさない。
仏大統領は、ウリベ大統領に医師を含む仏特殊部隊の派遣で了解を取り付け、付近一帯でコロンビア政府軍が軍事活動を展開しないよう要請した。コロンビアは15年にわたる内戦状態で、350万人が家を失い難民生活をしている。
(ニッケイ新聞2008年4月4日)

写真はコロンビアの「私たち全員がイングリッド・ベタンクール」のデモと、イングリット・ベタンクールの著書「それでも私は腐敗と闘う」