見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2008/05/05

サンタクルスは富裕層の反乱



ボリビアのリッチな県が国の方針に逆らって勝手に自治権拡大の住民投票を行うとのニュースを知って、1985年に一度だけ訪れたことのあるサンタクルスの街を思い出した。
ニュースにもあるように、そこはボリビア9県のうちで一番リッチな県である。石油、ガス、その他の資源に恵まれているのはもちろん、臼型に作られた街の不毛なトップの高地から下に行けば行くほど裕福になるという仕組みの首都ラパスから行く者にすれば、その平らな街は空気もなにも、暮らしやすく感じたものだ。
とはいえ、ほんの数日滞在しただけの旅人の直感で、素朴なインディオが行き交うラパスとはぜんぜん違って白人ばかりが目につくサンタクルスのストリートに、なんとも鼻持ちならない傲慢な感じを嗅ぎ取ったのも事実だ。ラパスに戻ってほっとしたのをよく憶えている。以下、ニュースからーー。

◇ボリビアの最も豊かな県、サンタクルスの有権者たちが、公認されていない住民投票で、自治権拡大のための発議を支持していることが伝えられる。
サンタクルスの財源の監督権をもっと県に与えること、そして治安部隊を創設することを、80%以上が支持したのを地元TV局の出口調査が示す。
ラパスの当局らは投票は違法と宣言しており、結果は無視するつもりだと述べる。
散発的な暴力の勃発が投票をだいなしにした。
サンタクルスの多数が、左派のエボ・モラレス大統領の批判者である。
大統領は国の豊かな東部県をもっと貧しい西部の一助としたいと望む、土着の彼特有の支持者の大半が貧しい西部の出身だ。
・土地保有(所有権)
モラレス氏は、南米一の最貧国のボリビアを貧困から引きだすことを期待した過激な改革を断言してきている。
ボリビアの人口の約25%が居を構えるサンタクルスの指導者らは彼らの財源の地元監督権拡大を要求してきている。
彼らは土地保有の大幅な制限を発議する憲法草案におびやかされると感じる。
土地の分配と豊富な石油やガスの埋蔵量に関し、サンタクルスにさらなる監督権を与えることが盛り込まれる提議が日曜の投票で支持された。
・投票が危機の不安を突然起こさせる
日曜の投票のほとんどは平静だったが、モラレス氏の支持者らが投票用紙を燃やして投票所をあさりまわったとき、貧しい地域で暴力が突発した。
ある投票所が破壊されたと報じられ、と同時にどこかよその住民投票の反対者らが投石して投票で支持してもらいたい人たちとかち合った。
少なくとも20人が負傷したと当局は伝え、警察が群衆に催涙ガスを放ってひとりが死亡したと未確認情報は伝えた。
抵抗勢力が投票をボイコットすると言って以降、成り行きは常に自治権拡大に味方するものとなっていたと、BBCの南米特派員 Daniel Schweimler は伝えた。
わが特派員は次に何が起こるかが問題だと付け加える。他に3つの県が自治権拡大で住民投票を行うつもりだと言っている。
(BBC NEWS 5 May 2008)

◇南米ボリビア最大のサンタクルス県で4日に実施された、県政府の自治権拡大を定めた自治憲章案の是非を問う県民投票で、85%以上が賛成票を投じたことが地元テレビ局が行った初回の出口調査で明らかとなった。
ただし、エボ・モラレス大統領と大統領率いる社会主義運動(MAS)は、すでに投票結果の無効を宣言しており、今回の県民投票を違法かつ違憲とみなしている。
モラレス大統領は自治憲章案の県民投票は違憲であり分離主義的行動だとして、結果を承認しない意向を示している。
大統領は軍を派遣するとも警告していたが取り下げ、大統領支持派と県政府支持派の衝突は増加している。
(AFP通信 2008年5月5日)

◇昨年10月、南米ボリビアのサンタクルス国際空港ビルに地元住民らによるデモ隊が進入し同空港ビルを占拠した。
事件の発端は昨年10月16日、同空港に着陸したアメリカン航空機に対してサンタクルス国際空港の職員が連邦空港管理局ではなく、地元空港に対して空港使用料を支払うように要求したこと。
モラレス大統領は、空港職員の違法行為を理由に国軍と軍警察に出動を要請、220人の国軍兵士らが空港ビルを占拠した。同事件以後、ブラジルのゴル航空など数社が同空港向けのフライトを一時中止した。
ところが、軍隊出動と中央政府の姿勢に反発したルベン・コスタサンタクルス県知事が地元住民らにデモ参加を訴えかけた。その結果、18日までに約7000人の地元住民によるデモ隊が空港前に集結、県の旗などを振りかざしながら国軍撤退を要求していた。
ボリビアではモラレス大統領と財政的に豊かなサンタクルス県などの南部・東部数県の間で自治権拡大などをめぐって衝突が続いており、今回の事件も中央政府と自治権拡大を目指す各県のあつれきを象徴している。
また、AP電によると、今回の事件に先立ち、ボリビア政府がサンタクルス空港の責任者を地元関係者から選出するこれまでの慣習を変えて中央政府が選出した人物を空港責任者にあてたことも、地元の反発を招いていたという。
ボリビアの財政収入の多くは、農業生産が活発でなおかつ天然ガスなどの資源が豊富な、南部・東部数県からの税収に頼っており、財政不均衡に不満を持つサンタクルス県などが、広範な自治権の拡大を中央政府に求めている。
ボリビアは人口の過半数がインディオ系で、大統領府のあるラパスを含む北部県の多くはインディオ系住民が占めるが、サンタクルス県などでは白人の占める割合が多い。
(世界日報 2007年10月21日)

写真は、サンタクルスのデモと一部で暴力の勃発がーー。