見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2009/04/03

難民キャンプのオーケストラ


◇ミュージシャンが西岸を出るよう命じられる

イスラエルでコンサートを行う事をめぐる騒ぎのまっ最中に、若いパレスチナ人オーケストラを指揮する女性が治安当局者らによってヨルダン川西岸の難民キャンプを出るよう命じられてきている。

テルアビブでのホロコースト生存者のためのコンサートをジェニン(虐殺の現場)から逃れた難民の小さなグループがアレンジすることで、アラブ系イスラエル人のワファ・ユニスは論争をスパークさせる。

彼女が「追放された」との報道は「誤り」で、彼女はキャンプの「いらいら(不安定)」のせいで出て行くよう求められたのだと彼女は言った。

政治的動機のために子どもたちを食い物にすると、キャンプのリーダーたちは彼女を非難した。

コンサート後に彼女はキャンプに戻ってきており、温かく迎えられたとユニスはBBCに語る。

しかしながら、彼女のプロジェクト「Strings of Freedom(自由を求める弦楽器奏者たち)」に子どもたちを送るなとの居住者へのおおっぴらの呼びかけで、キャンプには恐怖の雰囲気があったと彼女は言った。

彼女が難民キャンプを離れようと用意したとき、ひょっとしたら居住者によって彼女の存在に警戒態勢をとらされたのか、民間人の服装をした10人ほどの男性が彼女を逮捕したと彼女は言った。

男性たちは警官ではなかったし、伴う警察車両はなかったと彼女は強調した。

彼らの中には、パレスチナ自治政府アッバス議長の世俗的な派閥ファタハにつながりのある戦闘集団、アルアクサ殉教者旅団の地元リーダー、ザカリア・アル・ズベイディがいた。

彼女はズベイディ氏に話しかけた、彼はイスラエルのコンサートのことで彼女に謝罪して欲しかったのだと彼女は言った。

・政治的アジェンダ

彼は彼女をジェニンの警察署長のところに連行した、警察署長は「キャンプの情況は不安定」だと彼女に告げた。

ユニスによると、警察署長は「しばらくの間、静かにしていて欲しい。あなたの身の安全のために出て行くしかない、そして私はあなたをイスラエル側に引き渡さなければならない。」と言った。

ユニスは出て行くことに同意した。「私は穏やかな女性です、どんな問題も起こすつもりはありません」と彼女はBBCに伝えた。

ジェニンのパレスチナ治安部隊の司令官 Radhi Assidhaは、若いミュージシャンのある両親から死の脅しがあったとロイター通信に伝えた。

ロイターによると、「政治的アジェンダを遂行するために彼女は罪のない子どもたちを利用した」とAssidhaは言った。

「再形成のために子どもたちを引き受ける代わりに、ホロコーストを記念する日に子どもたちを参加させる指揮をとった。彼女は醜い方法で子どもたちを利用したのだ。」

地元居住者らはコンサートに抗議してオーケストラを閉鎖していた。

これより前に、キャンプの社会的指導者Adnan Hindiもまた、政治的動機のために子どもたちを「食いものにする」とユニスを非難してきていた。

その遠出は、イスラエルの最も裕福な市民シャリ・アリソンによって始められた「Good Deeds Day(善行の日)」と呼ばれる毎年恒例のイスラエルのチャリティイベントの一環として組織されており、「希望と友愛」を育成することが意図された。

演奏者が2002年パレスチナ過激派とイスラエル軍とのあいだの残忍な戦闘で知られるジェニンの出身だとわかって、イスラエルのホロン町でのコンサートの観客の多くが驚かされた。

(BBC NEWS 02 April 2009)

◇イスラエル右派新政権のアビグドル・リーバーマン外相は1日、外相引き継ぎ式での演説で、パレスチナ和平交渉の本格再開をうたった2007年の米アナポリスでの合意について「正当性がない」と批判、イスラエルには履行義務がないと主張した。

ベンヤミン・ネタニヤフ新政権がパレスチナ和平交渉に対して強硬路線を取る方針が改めて示されたかたちで、和平を推進したい国際社会や同盟国の米国とイスラエルが対立する可能性も出てきた。

イスラエル政府は03年に中東和平4者協議が提示した中東和平案(ロードマップ)の原則受託を承認。07年にアナポリスで行われた米・パレスチナ・イスラエルの中東和平会議では、このロードマップを再確認するとともに、パレスチナ国家を08年末までに樹立することを目指して交渉を再開するとの覚書を発表した。

しかしリーバーマン外相は就任後初の演説で、「イスラエルに履行義務がある文書は1つきりで、それはアナポリス会議の覚書ではない。ロードマップだけだ。イスラエル政府と議会はアナポリスを一度も承認してはいない」と述べた。

この発言に、パレスチナ自治政府側は反発。リーバーマン外相は「和平の障壁」だと非難し、国際社会に対し、イスラエルに対話路線に戻るように圧力をかけるよう要請した。

ネタニヤフ首相は2国家併存案を支持しておらず、「パレスチナは国家を樹立する前に経済を発展させる必要がある」と主張している。

(AFP 2009年4月2日)

◇汚職疑惑で外相を聴取 イスラエル警察

イスラエル警察は2日、贈収賄やマネーロンダリング(資金洗浄)などの疑いがあるとして、ネタニヤフ新政権のリーベルマン外相から約7時間にわたって事情聴取した。警察の報道官が明らかにした。

警察は数年前からリーベルマン氏の捜査を続けているが、事情聴取するのは外相就任後初めて。同氏は旧ソ連からの移民で、ロシア系、ユダヤ系実業家との関係が深いことで知られる。1999年に国会に初当選し、これまで国家基盤相、運輸相などを務めた。

今年2月の総選挙の運動期間中には同氏の娘も事情聴取された。リーベルマン氏はネタニヤフ政権で法相就任にも意欲を示したが、捜査対象となっていることから外された。

同氏は疑惑を否定し、左派寄りの司法当局による「政治的捜査」だと批判している。

リーベルマン氏は、極右政党「わが家イスラエル」の党首で、3月31日に発足した右派連立政権の外相に就任したばかり。

(共同通信 2009年4月3日)

◇イスラエル右派政権発足 「きっとまた戦争だ」ガザに懸念広がる

イスラエルの右派連立政権発足で、パレスチナ自治区では一日、タカ派のネタニヤフ首相への懸念が広がった。イスラエル軍侵攻の痛手から立ち直れないガザでは「また戦争だ」との声も聞かれた。

「ネタニヤフは総選挙で(ガザのイスラム原理主義組織)ハマスを根こそぎにすると言っていただろ。きっと攻撃してくるよ。そうすれば、イスラエルでの人気はあがるし」

ガザ市の果実店で働くアフマドさん(27)はあきらめ顔で語った。

ネタニヤフ首相は、米国などが促すパレスチナ国家を樹立して「2国家」の共存を図る和平案にも消極的。自治区のアッバス議長は地元テレビで「彼は平和を信じていない。世界は2国家案を受け入れるよう説得すべきだ」と訴えた。

ガザを実効支配するハマスの報道官は「多数の人々を殺した過去の政権とそう違いはないが、新政権は今の社会を反映している」とイスラエル世論の右傾化を指摘した。

イスラエルによるガザ地区の経済封鎖は今も続いている。建設資材がなく、壊れた家はそのままで、人々はテントや親せき宅で暮らす。ガソリンや食料の供給も不安定だ。

砲撃で夫も家も失ったサブハさん(65)は「世界の大国はネタニヤフの勝手を許さないで。封鎖も解くよう圧力をかけて」と訴えた。

(東京新聞 2009年4月2日)

写真はパレスチナ人難民キャンプのオーケストラの仲間たち(BBC NEWS)