見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2009/06/12

狂暴な88歳



◇アメリカのホロコースト博物館の警備員が殺される

狂暴性のある人種差別主義者との評判の88歳の男性が、ワシントンDCのホロコースト博物館内の群衆の前で発砲して、警備員を殺す。

地元当局者らにジェームズ・フォン・ブルンと名指しで呼ばれるガンマンは自身が警官によって撃たれた。彼は病院で重体だと言われる。

男は、狂暴な暴行罪で刑に服してきている白人優越主義者だと、アメリカのメディアは伝える。

事件によって「衝撃を受け、悲しくなった」とバラク・オバマ大統領は言った。

「あらゆるやり方で、反ユダヤや偏見に対して絶えず警戒を怠らないままでいなければならないのを、この常軌を逸した行いが私たちに思い出させる」と彼は声明で述べた。

ワシントンのイスラエル大使館もまたこの攻撃を非難した。

死んだ警備員は、6年間博物館で働き、「職務中に死んだ」スティーヴン・タイロン・ジョーンズ(黒人)であると博物館は言った。

FBIワシントン担当局を担当しているジョセフ・ペルシチニ局長補佐は、狙撃はかなりの憎悪犯罪または国内テロ事件として調査されていると言った。

狙撃後まもなく、コンピュータをチェックするため、連邦捜査官らがメリーランド州アナポリスにあるフォン・ブルンの自宅に急派された。

ガンマンは単独犯であると思われると、警視庁キャシー・ラニエル本部長は言った。

博物館に「入場直後、彼は警備員の注意を引いていた」と彼女は言った。

ガンマンは「長い銃」を持ち運んで建物の中に入っていき、警備員に向かって発砲したと、もっと早くにデヴィッド・シュローサー巡査部長は言った。

「博物館に入ってきた男に他の二人の博物館警備員が発砲し返したというのが私の見方だ」と彼は言った。

ブルンのクルマが博物館近くで発見されており、爆発物検査がされていると警察当局が言ったのをAPが引用する。

フォン・ブルンは長いこと過激派グループと結びつけられており、理事会が会議をしていた1981年、ワシントンの連邦準備制度理事会に銃身を切り詰めた散弾銃とリボルバーとナイフを運んだ罪で実刑を食らっていた。

彼は人種差別主義で反ユダヤのウェブサイトを持っており、「白人の破壊」についての本を書いている。

「悲鳴を上げて頭を下げる」

攻撃があったとき博物館は学童と観光客で混み合っていたが、全員が負傷を免れた。

ひとりの目撃者、22歳のアンジェラ・アンダーソンは、「誰かがなにかを落としたような」大きな衝撃音を聞いたと、AFP通信に話した。

「長そうな銃の類」を持った男を見たと彼女は言った。

「身を隠そうとして私は展示品のひとつに駆け込んだ」と彼女は言った。

「最初の銃声を聞いた。私が振り返って見たとき、2発か4発以上の銃声を聞いた。」

「人々が悲鳴を上げて床に伏せたりベンチの下にひょいとかがんで身を隠していた。」

博物館には普通は中と外の両方に配置される警備員で重警備の存在感がある。

すべての来館者が、入り口で金属探知機を通り抜け、カバンを調べるのを義務づけられる。

1993年に開館して以来、ナショナルモールにある博物館には、3000万人が訪れている。

博物館は前にも反ユダヤの過激派によって脅されてきているが、木曜には普通に再開するだろうとスタッフは述べる。

(Story from BBC NEWS 11 June 2009)
http://news.bbc.co.uk/go/pr/fr/-/2/hi/americas/8094076.stm

◇6年の前科のあるジェームズ・フォン・ブラン容疑者はアメリカの代表的な反ユダヤ主義者ウイリス・カートの影響を受けたとみられ、「ユダヤ人が米国の金融を支配している」という狂信的な信念を抱いていたとされる。彼自身が運営するウェブサイトでは、ホロコーストを否定するとともに、ユダヤ人を「西欧文明の破壊者」と非難していた。

人種差別を掲げるアメリカの結社では、黒人にリンチを繰り返した「KKK」(クークラックスクラン)が有名だが、差別問題を監視するNGOの調査では、KKKの残党だけで186の組織が確認されている。ネオナチグループも196を数えるなど、CNNによれば、FBIが把握する人種差別団体は全米で900以上にのぼる。

事件を受け、米メディアは約30年前に離婚した元妻まで探し出し、容疑者の「過激な思想傾向」をあぶり出している。同時に、歴史的な景気後退の中で、差別主義に基づく独善的な犯罪が増える可能性にも言及している。

(産経ニュース 2009年6月11日)

写真はホロコースト博物館(BBC NEWS)