見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2009/07/30

決闘ビルボード



◇それはニューヨークのタイムズスクエアーにあるアメリカ政府版のチッカー(電光掲示板)で、高さ5フィートのクリムゾン色の文字で反キューバのスローガンを流してはハバナの海岸沿いのメイン通りを呪い倒す。それはワシントンとハバナ間の外交騒動の仕返しの象徴とみられた。

だが、キューバの米国利益代表部のてっぺんにあった電光掲示板に明かりがなくなっている、なお2国間の過去半世紀の反目もまた緩まっている。

キューバ国民に情報を伝えるという意味で「有効」とはみなされなかったので、6月に電光掲示板を消したと国務省のイアン・ケリー報道官は言った。

米国利益代表部の窓25枚の端から端まで取り付けられた表示画面の内容が順次動く電光掲示は、マーティン・ルーサー・キングの「いつの日かこの国が起き上がるとの私には夢がある」やエイブラハム・リンカーンの「他人の承諾なしに他人を取り仕切るほど人は立派ではない」といったアメリカの英雄たちの引用句を流した。

それはまた、キューバの毎日の難題をフィデル・カストロと島の社会主義経済によって率いられるコミュニスト政権のせいにしたニュースと政治的メッセージも流した。たとえば、島の交通機関の災難は、「ある人はメルセデスで走り回り、ある人はロシア製のラダスで走り回る、だが輸送組織網がほぼ誰にでもヒッチハイクすることを余儀なくさせる」といったようなジャブの話題だった。

ブッシュ政権によって2006年に立てられて、検閲を回避する方法として宣伝され、残忍な政権によって抑圧されるキューバ人に希望と自由を提供すると政権が言った掲示は、米国利益代表部を「反革命の本部」と呼んだフィデル・カストロとのプロパガンダ戦争を活気づけた。

電光掲示板を帝国主義者のいじめっ子によるキューバの主権に対する強襲と呼んで、カンカンに怒ったフィデル・カストロは利益代表部を通り過ぎる抗議の大行進100万人のキューバ人を堂々と引っ張っていった。そしていわゆる米国の侵略(正当な理由のない攻撃)の犠牲者の記念となるように米国使節団の駐車場を掘り起こして反米ビルボードと巨大な黒旗138本を立てることで電光掲示板をふさいだ。掲示が下がるまで、ハバナの米国を拠点とする外交官とキューバの外務省とのあいだにどんな接触もないと彼は約束した。

二国家間の結びつきが向上した今年、現在キューバを統治するフィデルの弟ラウル・カストロは、反米ビルボードを下ろした。4月、キューバ系アメリカ人の島への渡航と島の親戚に送る送金額の制限をオバマ大統領が取り除いた。そして今月、米国とキューバの外交官が2003年以降はじめて(6年ぶり)キューバ人の米国への移住に関する会談を再開した。

キューバ人によって立てられた反プロパガンダのせいで、大部分のキューバ人が電光掲示板を読めなかったのを国務省のケリー報道官は認めた。「果たし合い(決闘)ビルボード」は生産的な米国・キューバ関係を促進していなかったとケリーは言った。

アメリカの携帯電話ネットワークと他のコミュニケーションテクノロジーを島にて稼働可能ならしめることが、キューバ国民により情報の自由な流れを可能ならしめるだろうと4月オバマによって施策が披露されたとケリーは言った。

写真は、2007年ハバナの米国利益代表ビルの前にてはためくキューバ国旗
(CNN 29 July 2009)