見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2011/08/09

原子力の記載事項で比べる


写真は、長崎原爆の写真に「広島に投下された原子爆弾」と誤記があった自由社の中学歴史教科書(共同)

◇歴史教科書:長崎原爆の写真を広島と誤記 自由社が発行

「新しい歴史教科書をつくる会」が主導し、今春の教科書検定に合格した自由社(東京)の中学歴史教科書の12年度版で、「広島に投下された原子爆弾」として掲載された写真が長崎に投下された原爆の写真だったことが8日、分かった。来春から使用予定で同社は近く文部科学省に訂正申請する。
自由社の中学歴史教科書では、日本史年表のほぼ全部を東京書籍の教科書から流用していたことも判明している。

(引用元:毎日新聞 2011年8月8日) 
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110809k0000m040035000c.html

教科書選定 どこがどう違う? 原子力の記載事項で比べてみた

神奈川県では藤沢市がすでに市立中学校19校で来春から使われる歴史と公民で育鵬社の教科書を採択している。注目が集まる全市一括採択で全国最大の市場となる横浜市の採択審議は4日。鎌倉市は、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の自由社とつくる会系の育鵬社は歴史、公民とも総合評価は1つ星で選ばれなかった。また平塚市は平成24年度使用の中学校用教科用図書として歴史は帝国書院、公民は教育出版を採択した。ただし、県立平塚中高教育学校(大原)は歴史で育鵬社の教科書を採択している。

○慰安婦について取り上げている記載事項:全教科用図書において該当する記載事項なし
○強制連行について取り上げている記載事項:公民教科書で自由社の教科書のみ記載なし

広く浸透する日本の原発"安全神話"は、長い時間と大金をかけてメディアはむろんのこと、コマーシャルや学校教科書から吹き込まれてきたことが、今回の福島第一原発の災難でよく理解されるところとなった。では、来年度から4年間使われる中学校と中高一貫校の歴史と公民教科書にはなんとあるか、特に今なら、原子力と自然エネルギーの記載事項で比べてみるのがわかりやすくていいかもしれない。

○エネルギー問題についての記載事項
東京書籍:
P165 世界では、温暖化防止のために、温室効果ガスの排出の少ない太陽光などのエネルギーの利用促進、省エネルギー技術の開発促進などの対策が進められている。
P166 現在では原子力、天然ガスなどの導入が進められ、エネルギーなどの供給源の多様化が図られている。
P167 原子力は海外から安定的に燃料を供給でき、わずかな燃料で多くのエネルギーを取り出せる。また、燃料を繰り返し利用でき、発電時に二酸化炭素を排出しない。しかし、放射性物質を扱うため、事故が起きたときの被害は大きく、厳しい安全対策が求められている。また、放射性廃棄物の最終処分場をどこにするかという課題も残されている。
P167 地球温暖化など環境への影響が少ないクリーンなエネルギーとして、太陽光発電、
風力発電、バイオマス発電などの再生可能エネルギーへの期待が高まっている。一方、太
陽光発電や風力発電などは電力の供給が自然条件に左右されることや、コストが高いことなどが課題としてあげられる。
P167 エネルギーの確保と環境への配慮を両立するかが、今後の課題となっている。

教育出版:
P184 わたしたちの生活は大量の資源・エネルギーを使った大量生産と大量消費の上に成り立っている。しかし、それらの資源・エネルギーは埋蔵地も産出地もかたよっていて、産出量にも限りがある。
P184 発電の際の二酸化炭素の発生が少なく、安定した電力供給ができるエネルギーの開
発が進められている。その中心となっている原子力発電は日本でも発電量の30%を占めている。一方で、いったん事故が起きると重大な被害が発生することや、放射性廃棄物(使用済み核燃料など)の処分に慎重な対応が必要なことなど、課題も残されている。
P185 現在、安全で持続可能な新しいエネルギーが求められていて、世界各国で太陽光、風力、波力、水力、地熱、バイオマス(生物資源)などを利用した、再生可能エネルギーの開発が進められている。

清水書院:
P149 廃棄物を資源として再生利用し、再生品を使用(リサイクル)するだけではなく、資源エネルギーの使用量をそもそも減らし(リデュース)、そしてくり返し再使用する(リユース)という3Rの実践が必要である。
P151 かつて公害のあった熊本県水俣市では、1992年に日本ではじめて「環境モデル都市づくり宣言」をおこなった。ごみの減量・高度分別、新エネルギーの積極的な活用、環境学習の機会の提供などを市民とともに実行している。
P169 先進国を中心に利用されている原子力発電はCO2を出さずに巨大なエネルギーを生み出すことができる。しかし、いちど事故がおこれば大きな被害が生じる危険性がある。放射性廃棄物の処理の問題もあり、安全に利用するために、よりいっそうの対策が求められている。
P169 環境への負荷が小さいクリーンエネルギーとして、太陽光、風力、バイオマスなどを利用した再生可能エネルギーの開発も進められているが、まだ経済的な効率において石油や石炭をおぎなえるようになっていない。

帝国書院:
P198 原子力発電は二酸化炭素の排出量が少なく、総発電量の中ですでに大きな割合をしめているが、事故や放射能への不安から、原子力発電の建設に対しては根強い反対運動がある。
P198 「地球にやさしい」発電方法とし 、風力発電をはじめ、太陽光、太陽熱、地熱、バイ
オマスなどの自然エネルギーを利用した発電方法の技術開発・改良が進められ、実用化もされている。しかし、それらへの期待が大きい反面、発電の効率が悪いなど大きな課題が残されている。

日本文教出版:
P201 わが国では、温暖化の原因となる二酸化炭素の排出が比較的少ない原子力発電が発電量の約3割を占める。安全性に対する疑問や、放射性廃棄物の処理の問題もあるが、国は対策に取り組んでいる。いっぽう、風力発電や太陽光発電、ごみ発電など新しいエネルギー源の開発も進んでいるが、現状では発電量が少なく大きな費用がかかるなどの課題がある。
P209 省エネルギーに努め、クリーンエネルギーの開発も行われている。

自由社:
P173 原子力発電や新エネルギーの導入拡大に努めている。原子力発電では安全性の高い技術を確立し、すでに全発電量の3分の1をまかなっている。また、太陽光や風力などを利用する自然エネルギー発電の普及を急いでいる。同時に、海外での油田権益の確保に努めたり、領海内の海底で発見されたメタンハイドレードの利用実用化を急ぐなど、エネルギーの確保に努めている。
P173 わが国は、国際エネルギー機関(IEA)を通して、安定した需給のための協力を進め、また発展途上国への資源開発や省エネ・省資源の技術協力を進めている。

育鵬社:
P178 日本のエネルギー供給は原子力発電が約3分の1を占めている。原子力発電は地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど出さず、原料となるウランをくり返し利用できる利点がある。そのため、石油等を輸入にたよる日本では重要なエネルギー源となる。今後は安全性や放射性廃棄物の処理・処分に配慮しながら、増大するエネルギー需要をまかなうものとして期待されている。
P179 自然エネルギーや燃料電池などの新エネルギーの開発とともに、産業活動や生活で消費している資源・エネルギーを効率よく利用することによって、省資源・省エネルギーを徹底していく必要がある。
P179 「クリーンエネルギーの開発」太陽斯う発電を取り入れた住宅、風力発電のための大型風車、次世代エネルギーの主役として期待される燃料電池で動く自動車など、新しいクリーンエネルギー開発への取り組みを紹介。

以上中学校、中等教育学校の前期課程用 教科用図書調査研究の結果(平成24・25・26・27年度用)より
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f6670/p323985.html

△育鵬社版を巡っては、歴史認識の観点から、神奈川県教委に賛否両論8本の請願が出されていた。採決に先立ち委員から、「歴史は立場により見え方が違う。 各社の教科書を図書室などに置き、生徒や教員、保護者がいつでも見られる環境を作るべきだ」と提案があり、他の委員も「いろんな視点から歴史的事実を理解するよう先生の工夫も求められる」などと同調。来年度から全教科について、複数社の教科書を両校に置くことになった。

(引用元:読売新聞 2011年8月3日(水)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20110803-OYT8T00660.htm

◇横浜市もつくる会系・育鵬社の教科書採択 来春から使用

横浜市教育委員会(今田忠彦委員長、6人)は4日の定例会で、来春から市内の市立中学校で使う歴史と公民の教科書に「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社版を採択した。全国最大の採択地区で、149校(在校生徒数約8万人)が対象となる。
6人の委員の記名投票の結果、いずれも賛成多数で決まった。市立中高一貫校でも使用が決まった。

(引用元:朝日新聞 2011年8月4日(木)
http://www.asahi.com/national/update/0804/TKY201108040276.html

△今田委員長は前々回の05年度、ただ一人、つくる会の教科書を推したが、不採択に。今田委員長を除く委員5人が入れ替わった前回の09年に、市内8区で使うことが決まった。今回は採択方法が変わり、全18区で同じ教科書を使うことになり、全国で最も多い中学校の採択地区となる。

今田委員長は昨年12月、市議会で「自由社版は、他と比べても日本文化の取扱量が多く、質も優れている。横浜の子どもが学ぶのにふさわしいと判断した」と答弁した。

そうした経緯を踏まえ、同市内の市民団体「横浜教科書採択連絡会」の担当者は「これまでの市教委は『つくる会』の教科書を採択するための布石を打つような動きをしてきた。今田委員長が交代していない」と警戒する。国内外で集めた署名約10万6千人分とともに2社の教科書を採択しないよう市教委へ求めた。

藤岡貞彦・一橋大名誉教授(教育社会学)らも7月下旬、市内在住・在勤の弁護士や元外交官ら230人と連名で「戦前日本の植民地支配を美化するなど、異様な歴史観に貫かれている」と、採択に反対する声明を市教委に提出した。

(引用元:東京新聞 2011年8月2日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20110802/CK2011080202000043.html

△若者論

「20代の若者と話す機会があるが、日本に対して誇りを持っていない。教育の大切さを痛感した」(中里委員)、「今の学生は公民的な感覚が低い。自由権を『遊ぶ自由』と言った学生もいた。自分の身の回りしか関心がない」(小浜委員)。

この日の市教委では、歴史と公民の教科書をめぐる議論とともに、一部委員が現代の若者批判を展開。育鵬社版を使った教育で、若者の意識が変化することへの期待を示した。

一方で、同社版を推さなかったNPO理事長の奥山千鶴子委員(48)は「若者が覇気がないなどと言われるのは、経済的なことも影響があると思う。歴史だけではなく、若者をきちんと育てる全体的な取り組みが必要」と反論した。

山田委員も「歴史教科書で、若者の人生観が規定されるとは思わない」と、同調した。

こうした議論を傍聴していた横浜国立大四年の兵庫貴宏さん(23)は「中学の教科書に何が書いてあったかは覚えてないし、そんなに影響があるとは思えない。若者からみて、大人もどうしようもないと、思うこともある」と、委員らの若者論に疑問を投げかけていた。

(引用元:東京新聞 2011年8月5日)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20110805/CK2011080502000022.html

◇都教委:つくる会教科書採択 運動によりひろがる"つくる会"の教科書採択

都教育委員会(木村孟委員長)は28日、都立中学校、中等教育学校、特別支援学校中学部で来年度から4年間使用する教科書を採択した。

歴史は育鵬社の「新しい日本の歴史」。公民は、都立中、中等教育学校10校が同社の「新しい日本の公民」、特別支援学校のうち、聴覚障害、肢体不自由・病弱特別支援学校中学部の20校は自由社の「新しい公民教科書」となった。

自由社の教科書は、自国中心の歴史観を反映した教科書作りのために内外から反発もあったつくる会のメンバーが執筆。育鵬社の教科書はつくる会を脱退したメンバーらが執筆している。

都教職員組合は「育鵬社、自由社版は歴史を歪曲(わいきょく)している。満身の怒りを込めて抗議する」との声明を出した。

つくる会系の教科書が初めて採択されたのは01年。一部の特別支援学校中学部で、歴史に育鵬社の親会社である扶桑社版が選ばれた。都立中、中等教 育学校では、05年4月に初の中高一貫校として都立白鴎高校付属中学が開校した際、歴史、公民で扶桑社版を採択して以来、採用が続いていた。