見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2012/07/08

日本的な大惨事




写真は英ガーディアン紙の記事より
◇どしゃ降りの雨がイギリスの至る所に大混乱をもたらす

家屋浸水、道路大混乱、スポーツイベント(ウインブルドン、聖火リレー)が危険にさらされる

豪雨が国中に広がって多くの地域で大混乱を引き起こす7日土曜日、環境庁によって200以上の洪水警告と警戒警報が発令された。
http://www.guardian.co.uk/uk/2012/jul/07/torrential-rain-wreaks-havoc-britain

◇福島第1原発「国民性が事故拡大」英各紙

ロンドン:東京電力福島第1原発事故の国会事故調査委員会が5日に最終報告書を提出したことについて、英各紙は日本文化に根ざした習慣や規則、権威に従順な日本人の国民性が事故を拡大させたとする点を強調し、「日本的な大惨事」に苦言を呈する報道が目立った。

ガーディアン紙は「フクシマの惨事の中心にあった日本文化の特徴」と題した記事で報告書の前文を引用し、島国の慣習や権威に責任を問わない姿勢が事故原因の一端にあるとする報告書の内容を伝えた。6日にも「文化の名の下に隠れるフクシマリポート」と題した記事で、「重大な報告書と文化を混同することは混乱したメッセージを世界に与える」と批判した。

一方、「非常に日本的な大惨事」との見出しで報じたタイムズ紙(6日付)も「過ちは日本が国全体で起こしたものではなく、個人が責任を負い、彼らの不作為が罰せられるべきものだ。集団で責任を負う文化では問題を乗り越えることはできない」とコメントした。

(引用元:産経新聞 2012年7月8日)

◇事故を防ぐチャンスはあったのにやるべきことをしなかった。「想定外」ではなく、対策を先送りし、起こるべくして起きた原子力ムラのなれ合いによる「人災」である。
結論を一言で表現するならこうなろうか。東京電力福島第1原発事故について国会の事故調査委員会は衆参両院議長に最終報告書を提出した。「3・11」にさかのぼって「根源的な原因」に迫った結論には説得力がある。 
根源的な原因とは、例えば次のようなことだ。経済産業省原子力安全・保安院が2006年に改訂された指針に基づき東電に耐震安全性評価を求めたが、東電は報告期限を守らない。東電、保安院とも耐震補強工事が必要だと一致していたにもかかわらず、保安院は先送りを黙認した。 
津波が福島第1原発の敷地を越える場合、全電源喪失に至ることなどは、保安院、東電双方とも認識していた。だが、東電は対策を先延ばし、保安院は指示しなかった。 
原子力安全委員会は全電源喪失の可能性はないとの立場で東電にその理由を作文させた。米国は同時多発テロ後、全電源喪失を想定した設備と訓練を義務付けたが、その情報は保安院で止まった。福島第1原発は地震にも津波にも脆弱だったのだ。 
意図的な先送りに不作為。報告書は東電と保安院や安全委などとの関係を「規制の虜」という概念で説明している。規制する側が規制される側に取り込まれ、関係が逆転する。監視・監督機能が崩壊していたのである。 
事故後の対応について報告書は、官邸、保安院などの規制当局、東電に準備も心構えもなかったと厳しく指摘している。 
原発事故の主因が地震か、津波に由来するのか、解明には至っていない。重要な機器・配管類がある原子炉建屋や原子炉格納容器内部の調査ができないからだ。 
東電の社内事故調は地震を否定しているが、国会事故調は、原子炉の冷却装置が地震で壊れた可能性など多くの理由を挙げ「地震による損傷の可能性は否定できない」と東電を批判している。 
「わが国では、従来も、そして今回のような大事故を経ても、対症療法的な対策が行われているにすぎない」。報告書は政府の原子力行政に根本的な疑問を投げ掛けている。 
野田佳彦首相が関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働の方針を表明したのは先月16日である。報告書が出てからでは再稼働に踏み切ることが難しいと判断し、駆け込み的に急いだのではないか。その疑念が消えない。 
(引用元:沖縄タイムス2012年7月7日)
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-07-07_36034