見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2017/04/17

パナマ ペーパーズ

◇パナマ文書調査がピュリツァー賞を獲得

金持ちや有名人の外国で行われる内緒事を暴く一連の記事でガーディアン紙や他のメディア組織が共同で働いた

ガーディアン紙 11 April 2017

金持ちや有名人の外国で行われる内緒事のパナマ文書調査が威信のあるピュリツァー賞を授与された。

賞は、アメリカのマクラッチー(McClatchy)とマイアミ・ヘラルドと共にワシントンに拠点を置く国際調査報道ジャーナリスト共同事業体(International Consortium of Investigative Journalists:ICIJ)に与えられた。

隠れたインフラや世界規模のオフショア租税回避地をあばくため、裁判官らはパナマ文書や“6大陸の300人以上の記者のコラボレーション”からなる一連の記事を引用した。

共同事業体には告発者から11万5000の文書を受け取ったドイツの南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)、ガーディアン紙、BBC、約100の他の国際メディア組織を含める。プロジェクトはこれまでに最大の新聞雑誌記者流の協力であったと思われる。

調査は当初は選抜候補者リストの最終選考に残った国際報道のカテゴリーに入れられた。2016年の説明的報道のカテゴリーに移されてそれは受賞となった。

秘密漏洩を受け取ったドイツ人記者、Bastian ObermayerとFrederik Obermaierは、匿名の情報源“ジョン・ドウ(本名不明の某男性)”に敬意を表した。彼または彼女がパナマの法律事務所モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca)からの内部ファイルとEメールを提供した、その事務所は不透明なオフショア会社を設立することを専門に扱う。

Obermayerは、ある晩自分のラップトップに匿名のメッセージを受け取った2015年初頭に、どのようにしてその顛末が始まったかを思い起こした。情報源は“ジョン・ドウ”と自己紹介して、Obermayerにデータに興味があるかどうか尋ねた。

あとに続いたことは80カ国以上におけるスリル満点の1年間にわたる新聞雑誌記者流の内緒の協力だった。南ドイツ新聞はそのデータをICIJと共有して、安全なプラットフォーム(基盤となるシステム)を媒介として世界中のメディア・パートナーに順番にパナマ文書への接近を許した。

名前は、アメリカのベトナム戦争についてすっぱぬいたダニエル・エルズバーグによる1971年にリークされた大量の機密文書ペンタゴン・ペーパーズの意図的なまねだった。パナマ文書調査はオフショアの組織が以前に考えられたよりはるかに大規模だったことを明らかにした、組織の多くがイギリスの海外属領とイギリス政府の保護領から運営する。

デイヴィッド・キャメロン、彼の亡父を含め、発覚でスポットをあてて扱われた人々はオフショア・ファンド、Blairmore Holdings Incを運営した。パートタイムの主教を含め、ファンドは文書業務に署名するため、バハマに駐留する小さな軍隊を使った。

パナマ文書は昨年4月に公表された。“個人に関する問題”と言ってダウニングストリート(イギリス政府)はキャメロンの税問題について質問に応えることを拒否した。結局、キャメロンは父のオフショア・ファンドの株式を所有していたこと、そして2010年に彼が首相になる直前それを3万1500ポンドで売ったことを認めた。

その記事には世界的な衝撃があった。家族がオフショアに現金を隠していたことが明らかになったあと、アイスランドのグンロイグソン首相が辞任を余儀なくされた。アルゼンチンではデモがあり、アゼルバイジャンでは小さな戦争があった、中には大統領と娘たちにかかわる発覚から注意をそらすために起こされたと考えるものがいた。

中国では検閲官が「パナマ文書」という言葉をブロックしてガーディアン紙のウェブサイトを妨害した。ロシアではウラジミール・プーチンの旧友、チェロ奏者Sergei Rolduginがイギリス領ヴァージン諸島の会社のネットワークにおよそ20億ドルを流入させたことが明らかになったあと、プーチンの側近らは西側の“スパイ”陰謀にいきりたった。

パナマの法律事務所の創設者、Jurgen MossackとRamon Fonsecaは2月に逮捕された。彼らは目下、ラテンアメリカ全域での検察官による調整された急襲に続くマネーロンダリングの容疑で刑務所にいる。

https://www.theguardian.com/world/2017/apr/11/panama-papers-investigation-wins-pulitzer-prize?CMP=twt_gu

△米国の優れた報道に贈られるピュリツァー賞の受賞作が10日、ニューヨークのコロンビア大学で発表され、解説報道部門で各国指導者らのタックスヘイブン(租税回避地)関与の実態を暴いた「パナマ文書」を報じた「国際調査報道ジャーナリズム連合(ICIJ)」など3団体・社が選ばれた。

ICIJは、カリブ海の英領バージン諸島などの租税回避地の会社設立などを手がけるパナマの法律事務所の内部文書を入手。設立された21万あまりの法人に関する情報を分析し、会社株主に名を連ねていたアイスランド首相が辞任に追い込まれたほか、税逃れ対策の国際ルール作りを後押しするなど、世界的に大きな影響を与えた。

この報道には、約80カ国のジャーナリスト約400人が国や報道機関の枠を超えて取り組んだ。日本からはICIJと提携する朝日新聞と共同通信の記者が加わり、日本人が会社の利益や知的財産権を租税回避地の法人に移した事例などが見つかった。同賞は米国での報道が対象だが、授賞理由の中ではこうした国際的連携にも触れられた。

賞の中で最も権威のある公益部門は、警察が迷惑防止法を盾に適正な法手続きを回避し、「犯罪に使われる」との理由で黒人やヒスパニックら少数派を自宅などから強制退去させていると共同で報じたニューヨーク・デイリーニュース紙と非営利報道機関プロパブリカへの授賞が発表された。

国内報道部門では、昨年の大統領選期間中に候補者だったトランプ大統領の慈善活動の誇張ぶりを探ったワシントン・ポスト紙のファレンソルド記者に授賞。国際報道部門では、政敵の排除やネット上での攻撃などで権力を拡大するロシアのプーチン政権の姿を描いたニューヨーク・タイムズ紙が選ばれた。

http://www.asahi.com/articles/ASK4C1VVPK4CUHBI006.html

上の写真はソダーバーグ監督です。

◇映画『トラフィック』『マジック・マイク』などでおなじみのスティーヴン・ソダーバーグ監督が、ピュリツァー受賞作家ジェイク・バーンスタインが手がけたパナマ文書を題材にしたノンフィクションの新作「シークレシー・ワールド(Secrecy World) 」の映画化を企画しているとDeadlineや複数のメディアが報じている。

本作は、ソダーバーグ監督が自ら製作しメガホンを取ることも視野に入れている作品で、脚本は映画『インフォーマント!』『サイド・エフェクト』などでソダーバーグ監督とタッグを組んできたスコット・Z・バーンズがバーンスタインの原作を脚色する。原作は、出版会社ヘンリー・ホルト・アンド・カンパニーを通してこれから出版される予定で、出版前から映画『ラストベガス』を手掛けたローレンス・グレイの制作会社グレイ・マター・プロダクションが、この原作の映画化権を獲得していた。さらに現在、このグレイ・マター・プロダクションは、アノニマス・コンテントとタッグを組んで製作を進めている。
原作「シークレシー・ワールド」にはパナマ文書に関した新たな詳細や権力を持つ者の財政的な陰謀、銀行の違法行為なども記されている。パナマ文書は、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した機密文書。同事務所を利用し意図的に所得税や法人税が極端に下がるタックスヘイブン(租税回避地)の国と地域に設立された21万社以上の企業と、その会社に関連する個人名が記載されていた。ただ脱税とは異なり、タックスヘイブンによる“課税逃れ”は違法ではない。

https://www.cinematoday.jp/page/N0084410