見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2017/06/11

ウルグアイのマリファナ合法化

◇ウルグアイ、どこでも好きなところでマリファナが吸える最初の国

新しい法律がこの南米の国を世界で初めて店頭で(処方箋なしに)ドラッグを販売する国にする

静かな日曜の午後、5台のパトカーが家の外でキーッと音を立てて停止したとき、アリシア・カスティヤは庭の植物に水をまいていた。“完全武装”した14人の警官チームが門を通ってなだれ込み、このおとなしい66歳の知識人を逮捕した。コンピュータ、携帯電話、書籍、オレンジの絞り器さえ、彼らに見つけられるものはすべて押収した。

また、彼女が水やりしていた29本のカンナビス(大麻)植物と見つかった彼女の所有するマリファナ24グラムも押収した。彼女は警察署に連れて行かれ、手錠をはめられて一晩ベンチで過ごした。カスティヤはオブザーバー紙に、「彼らは女性版パブロ・エスコバルのように私を扱いました」と語った。だが、2015年のNetflixシリーズ「Narcos」のきっかけになった悪名高きコロンビアの麻薬王にはちっとも似てないカスティヤは予想外のベストセラーとなった本「Cultura Cannabis」の平和を愛する白髪の著者だった。多くのアルゼンチンの60代の人のように彼女は最近ウルグアイの近くに退いていた。押収された植物は本人だけの使用目的だった。「私はマリファナを売るのではなくて、それについて書くことで生計を立てています。」

2011年のカスティヤ逮捕はウルグアイに衝撃を与えた。寛大な心と自由主義の制度を誇る国で気晴らしのドラッグ消費が非合法化されたことは決してなかったが、栽培と販売は禁じられたままだった。著者は投獄2年〜10年の刑を突きつけられる。

Canelonesの町の女刑務所での彼女の投獄は24時間ぶっ通しのニュースになった。「映画“ミッドナイト・エックスプレス”を私に思い起こさせる悪臭のどん底に私は陥りました。ベッドのいたるところをゴキブリが這い、バスルームにはウサギの大きさのネズミがいました。」

彼女の到着に仲間の在監者が突然自発的な拍手をし始めたとき、カスティヤは自分が国民的な有名人になったことを悟った。そこに収監される120人の女性の最年長者、報道機関によってすぐにかぎつけられるあだ名“リーファー(マリファナタバコ)おばあちゃん”というニックネームを仲間の在監者が彼女に付けた。

多数が彼女の釈放を要求して行進した。抗議はすぐに気晴らしのカンナビスの完全なる合法化を求める長年にわたる緊急の要求を活気づかせた。「メディア報道は狂気じみていました。刑務所で注視する私のために議員が合法的なマリファナ草案の提議に動き出しました」と、現在72歳のカスティヤは回想する。

彼女の3ヶ月の投獄(と訴訟事件が昨年ウルグアイの最高裁判所によって退けられるまでの長い一連の裁判)はようやく成果を上げた。カンナビスの栽培は2014年に合法化され、7月にウルグアイは全領土の全域でその販売が合法となる世界で最初の国になる。

「気晴らしのマリファナの論理にかなった取締りに向かって進捗させることがウルグアイにとって重要」とEduardo Blasinaは言う、彼はウルグアイの首都モンテビデオの古いパレルモ地区の大きなテラコッタカラーで仕上げる所有地に位置する、最近落成式を行ったカンナビス博物館の責任者だ。

「法律は認証された混じりけのないマリファナを入手する手段を消費者に与える」と Blasinaは言う。「消費額を含め、たとえどの指標を考慮しても破局という結果になって、南米のドラッグ戦争はバカげていた。ウルグアイの経験が現実的だとわかれば、他の強力なナルコ(麻薬)で大問題の泥沼に陥れられるコロンビアまたはメキシコのような国は、これまで履行される惨憺たるものよりましな解決を見つけやすくなる。」

合法化のために最も精力的な運動員のひとり、ローラ・マルコスにとって、どんなドラッグの消費も決して禁止してこなかったウルグアイのすばらしい歴史が解決のカギだった。「わたしたちは消費は合法だが栽培はそうでなかった法律のこのあいまいな部分に気づきました、つまりマリファナ栽培者が留置所に拘束されるたびに、適法の中身を入手する手段を手に入れる唯一の場所が違法な市場に属しているという主張に勢いをつけました。」

マリファナ合法がウルグアイで履行される状態に誰もがうれしく思っているわけではない。「あなた方が今では刑務所に行くことなく栽培することができるのでうれしい」と新しい立法措置のもとに設立された大麻クラブのひとつ、MDAR(高品質のマリファナのスペイン語の頭字語)の28歳のマネージャー、Juan Manuel Varelaは言う。「でも、ウルグアイの多くの物事のように、新しい法律は、まずく適用されているいい考え方だ。」

新しい法律は完全な合法化には及ばないとヴァレーラやカスティーヤのようなカンナビス活動家は狼狽する。マリファナ自家栽培者は最大6本まで彼らに認める許可書と引き換えに政府に届けることが義務づけられる。そしてヴァレーラのクラブのような大麻クラブは、クラブの収穫から月に40グラムだけ回収してもよい最大45人の会員の許可書を必要とする。

とりわけ最も問題の多いのが、7月に法律が有効になる時に合法マリファナは薬局で手に入るだけだ。価格はストリートの3ドルと比較してグラム1ドル30セントと大いに利用しやすいけれども、消費者はまず第一に政府に届けなければならない。そうして、毎週最大10グラムを回収するためにデジタル親指スキャンで身元を識別することが義務づけられる。

プライバシー問題が伴うために、政府は登録が不正な手中に陥ることに先手を打って重要な予防措置をとった。薬剤師は親指スキャンのたびに結びつけられるクライアントの名前を知らされない。各々のクライアントの割当てからまだ使用できるグラム量だけが薬局のスクリーンで明らかになる。そのうえ、政府の7人のメンバーだけが全部の登録事項を入手できて、どの名前でも検索する目的でメンバーの3人が同時にいる必要がある。

「それは彼らが栽培者と消費者でつくっている警察ファイルのようだ」とDaniel Vidartは言う。彼はカスティーヤが6年の投獄から釈放されてすぐ後に彼女と結婚したもうひとりの長年のカンナビス活動家で作家だ。

この印象的にスカッと陽気な96歳はウルグアイの前大統領ホセ“ぺぺ”ムヒカの個人的な友人だ。ムヒカ大統領は2010年~2015年の任期の間、同姓婚、妊娠中絶、国家管理下のマリファナ販売を含める一連の自由な改革を導入した。

Vidartは友人のマリファナ法に大いに批判的だ。「この法律はそれを合法化するよりも実のところマリファナに汚名をきせる」とVidartは言って妻カスティーヤの手を握る。「なぜアルコール消費者の登録ではなくてマリファナ消費者の登録があって当然なのか?アルコールはドラッグよりよほど致命的だ。この法律は引き続き、マリファナ喫煙者は政府によって数えられる必要があるほど危険とみなすままでいる。そして民主的な政府がある限り登録はだいたいのところ安全でも、政治的風潮が変わると当然それは消費者に対抗する武器になりうる。」

登録は5月のはじめに開始された。これまで(ウルグアイの人口340万人から)およそ3500人が薬局でマリファナを買うために登録した。そのうえ、政府の大麻規制管理機関(Cannabis Regulation and Control Institute)によると、2014年以降およそ6700人が自家栽培者として登録し、57の大麻クラブが設立された。

メディアの注目にもかかわらず、販売はどうもスロースタートに至ることになりそうだ。「国の1000の薬局のうち、わずか30がこれまでマリファナを売るために登録した」とウルグアイ薬局協会副議長のAlejandro Antalichは言う。

「私たちの社会は保守的で変化に逆らうことがある、確かにまだ半信半疑があり、多くの薬剤師が販売目的で登録する前にシステムがどのように機能するか確かめようと待っている。クライアントを失うことで気を転倒させる街角の麻薬密売人から薬局への報復の畏れもある。」

カスティーヤもまた新しい法律について相容れない要素の混ざった思いをいだいている。「自分の家で植えることに対して完全な自由を確かめたい」と彼女は言う。

植えるまたは買うために彼女は登録したか。「いいえ、わたしは登録していません。」彼女は今でも家で栽培しているのか?「はい、しています。」新しい法律に抵触するのが怖くないのか?「彼らがあえてまたわたしのあとを追うとは思いません」とまばたきしてカスティーヤは言う。

https://www.theguardian.com/society/2017/may/27/marijuana-legalisation-uruguay-seen-half-measure-users?CMP=twt_gu