ヘルター スケルター
◇大量殺人者のチャールズ・マンソン服役囚が83歳で死す
悪名高いシリアルキラー、チャールズ・マンソンが短時間の入院後に亡くなったと当局は伝える。彼は19日木曜カリフォルニア州ベーカーズフィールドの病院で死亡した。
マンソンファミリーの支配者は女優シャロン・テートを含める7人の殺害を画策したとして1971年に有罪判決を下された。彼は“人種戦争”を起こそうとしていたと伝えられており、彼は同名のビートルズの歌にちなんでそれを“ヘルター・スケルター”と称した。
マンソンは死刑を宣告された。カリフォルニア州が死刑を一時的に停止した後、刑は自動的にコーコラン州立刑務所での終身刑に改められた。
オハイオ生まれのマンソンは60年代後半に自分自身を中心として“マンソンファミリー”として知られるカルト集団を組織した。マンソンはマンソンファミリーとして知られる家出人や浮浪者の一団を集めた。1969年夏、人種戦争をけしかける計画の一環だったと検察官が言ったことで、彼は主として若い女性信者(熱心な追随者)に7人を殺害するように命じた。
映画監督ロマン・ポランスキーの妊娠8カ月の妻、女優のシャロン・テートは犠牲者の中のひとりだった。彼女はカルトメンバーによって16回刺された。マンソンと彼の信者であるスーザン・アトキンス、パトリシア(Patricia Krenwinkel)、レスリー・ヴァン・ホーテン、チャールズ“テックス”ワトソンが殺人で有罪判決を受け、死刑を宣告された。
1972年にアメリカ最高裁が一時的に死刑を禁止したとき、全員が処刑を無効にされた。
殺人より前に彼はまたロスの音楽シーンでシンガーソングライターとして過ごした。彼の知名(悪名)度の高さに乗するために何年にもわたり幾つかレコードが発表された。ごく最近、マンソンの獄中レコーディングの幾つかが新たに発表されようとしていたことが明らかになる。
http://florida-times.com/breaking-convicted-mass-murderer-charles-manson-dies-aged-83/
△60年代に自分を信奉する若者たちを集めたマンソン受刑者は米国で人種戦争が起きると主張し、自分が戦争の開始を早め、新秩序の指導者になると宣言。マンソン受刑者は自らの考えを当時熱心に聴いていたビートルズの曲と同じ「ヘルター・スケルター」と名付けた。
検察はマンソン受刑者が、殺害事件の犯人が黒人だと思わせることで人種間の緊張を高めようとしていたと指摘した。
マンソン受刑者は薬物や生来のカリスマ性を使って主に中産階級出身の若い女性たちを信奉者に仕立て上げ、多くの信奉者に自分がイエス・キリストの生まれ変わりだと思い込ませた。
死刑判決
マンソン受刑者には死刑判決が下っていたが、カリフォルニア州最高裁による死刑の違憲判断を受けて死刑が一時的に禁止されたことに伴い、終身刑に減刑された。マンソン受刑者は約40年にわたる期間に保釈を12回申請している。
死亡前の最後の申請となった2012年当時、仮釈放委員会はマンソン受刑者が更生の努力を全くしているように思えないと指摘。刑務所で武器を所持したり、禁止されている携帯電話を入手するなど、マンソン受刑者の素行は良いとは言えなかった。
2014年にはマンソン受刑者を愛していると語る26歳の女性との結婚が許可されたが、結婚は実施されなかった。
マンソン受刑者と信奉者たちが起こした残虐な事件はその後40年以上にわたって関連の本や映画、音楽を生み出し、米国人の意識の中に存在し続けてきた。
http://www.bbc.com/japanese/42048753
◇巨大なるかな!ニューオリンズが300年の歴史上初のアフリカ系アメリカ人女性を市長に選んだ。民主党のラトーヤ・キャントレルが歴史に残るようなことをした!
◇アメリカの地方選:8人のトランスジェンダー候補が当選
11月7日、全米で地方選が行われた。昨年の大統領選、来年行われる中間選挙に比べて地味な選挙になるはずだったのだが、全米各地で性的マイノリティ、人種マイノリティ、宗教マイノリティの候補者が大量に勝利し、大騒ぎとなった。なにより目を引いたのがトランスジェンダー候補8人の当選だった。
特に注目を集めたのがヴァージニア州議会選に当選したトランスジェンダー女性のダニカ・ロームだ。地元新聞のジャーナリストだったロームは各種の地域問題を公約に掲げていた。対立候補である現職議員はロームを女性と認めず、「He(彼)」と呼び続け、アンチLGBTの姿勢を取り続けていた。ロームはこの現職議員を破って初の当選を果たした。
同じヴァージニア州議会選にベトナム難民として生後7カ月でアメリカにやってきたキャシー・トランも当選し、同議会初のアジア系女性議員となった。さらにエリザベス・ガズマン、ハラ・アヤラも同議会では初のヒスパニック女性議員に。
ミネソタ州ミネアポリスの市議選ではトランスジェンダーの黒人女性アンドレア・ジェンキンスとトランスジェンダーの黒人男性フィリペ・カニングハムが揃って当選し、これも大きな話題となった。これにより同市の市会議員13人のうち、2人をトランスジェンダーが占めることとなった。なお、ジェンキンスはトランスジェンダー/黒人/女性という三重のマイノリティであり、当選は米国史上に残る快挙といえる。
ワシントン州シアトルではレズビアンであることを公表しているジェニー・ダーカンが市長に選ばれた。
ニュージャージー州ホーボーケンではラビンダー・バハーラがシーク教徒として初の市長となった。シーク教徒の男性はターバンを着用していることから無知な者にイスラム教徒と誤解されることが多々あり、バハーラも選挙ポスターに「テロリスト」と落書きされたと報じられている。
モンタナ州ヘレナの市長となったウィルモット・コリンズはアフリカのリベリアからの難民だった。
アフリカのスーダンからの移民でイスラム教徒女性のマザヒ・サリーはアイオワ州アイオワの市会議員に当選。
他にも全米7都市で初の黒人市長が誕生し、上記の3人を含む8人のトランスジェンダーが7州で当選を果たした。女性も全米各地のさまざまなポジションに多数が当選した。
トランプの悪夢は続く
さまざまなマイノリティが当選を果たした今回の選挙結果は米軍からのトランスジェンダー締め出し、特定イスラム教国民の入国禁止を訴えたトランプには大きなショックだろう。
だがトランプにとって選挙の悪夢はこれだけではなかった。
12月にアラバマ州上院議員の特別選挙がある。同州選出の議員だったジェフ・セッションズがトランプによって司法長官に任命されたため、後任を選出する選挙だ。この選挙の共和党候補者ロイ・ムーアが32歳の時に14歳の少女に性的ハラスメントをおこなったとする記事を選挙の余韻も冷めやらない9日、ワシントンポストが報じたのだ。
記事によると1979年当時、ムーアはアラバマ州の地方検事助手の立場を利用して少女の母親に警戒心を抱かせることなく少女と出掛けることに成功。二人きりになった際、ムーアは少女の胸や陰部を下着の上から触り、自分の股間も下着の上から触らせたと当の女性が語っている。当時16~18歳だった他の3人の女性もムーアにアプローチされた、キスをされた、デートでワインを飲まされたと証言している。
ムーアは非常に熱心なキリスト教徒であり、進化論を否定し、中絶反対かつアンチLGBT。また、極度の保守派として反イスラム、反移民を掲げている。過去にアラバマ州最高裁判所に「モーセの十戒」(旧約聖書に登場する、モーセが神から与えられた10の戒律。そのひとつは『汝、姦淫するなかれ』)のモニュメントを設置した件と判事でありながら同性婚を受け付けなかったことで2度停職処分となっている。
映画プロデューサーのワインスタインが引き起こしたセクシャル・ハラスメント騒動が今も続く中、共和党幹部はムーアに対し、立候補を取り下げるよう早々に勧告した。ワインスタインやケヴィン・スペイシーのように被害者が続々と名乗りを上げることを恐れたのだろう。ムーアは無実を主張したが13日に5人目の女性が記者会見を開き、16歳の時にオーラルセックスを強要されたと涙ながらに語った。共和党幹部は即日、ムーアが当選しても取り消すとコメントを発した。
あらゆることをツイートするトランプだがムーアの件については沈黙を守っている。覚えているだろうか。トランプ自身、選挙期間中に何人もの女性から過去のセクシャル・ハラスメントによって糾弾されたことを。
実はムーアのスクープ第一報が報じられた日、トランプが小躍りして喜んだであろう世論調査も発表されていた。ポリティコとモーニング・コンサルトの共同調査によると、「昨年の大統領選を再度おこなうとしたら誰に投票するか」の質問に対し、トランプに投票した有権者のうち82%が「トランプ」と答えている。
この結果を解釈するには、昨年の選挙の様相とアメリカの二大政党制を理解しておく必要があるかもしれない。トランプに投票しないのであればヒラリー・クリントンに投票するか、もしくは棄権しか選択肢がない。昨年の選挙戦ではっきり示されたようにトランプ支持者はヒラリーを非常に嫌っている。また、トランプに投票しなければ民主党から大統領が出ることになる。現在のトランプの政策や言動を支持するか否かにかかわらず、共和党支持者にとっては絶対に避けたい事態だ。
とはいえ、強固なトランプ支持者が少なくないことは確かだ。今年の地方選挙でマイノリティが大躍進したのはトランプ自身によるマイノリティ抑圧政策への反発が大きな理由と思えるが、同時に白人至上主義のネオナチ、KKKなどが再度の台頭をみせていることへの不安感も背後にあるのかもしれない。こうしたグループは性的マイノリティ、人種マイノリティ、移民、イスラム教徒、ユダヤ教徒を徹底的に嫌う。
現在、10代の少女たちへの性的ハラスメントが問題となっているロイ・ムーアは思想の偏りも大きな問題だが上院選の予備選ではすでに勝利を収めている。つまり、地元アラバマ州では支持されているということだ。そもそも特別選挙の理由となったトランプ政権のセッションズ司法長官も、昔、判事でありながら黒人の蔑称「Nワード」を使うなど問題を起こしてきた人物である。このセッションズは、トランプの立候補初期からの熱心な支持者だった。トランプ、セッションズ、ムーアの繋がりはリベラルにとっては受け入れることのできないものだ。
トランプとアンチ・トランプ。共和党と民主党。保守とリベラル。9年前に米国史上初の黒人大統領を生んだこの国はそのために大きな揺り戻しに見舞われている。トランプは黒人大統領に象徴されるリベラルなアメリカに我慢ならない保守派に支持されて当選した。そのトランプに対して今、リベラルが戦いを挑んでいる。
アメリカの国政は今後も予断を許さない。あと1年で中間選挙を迎えるのである。
(堂本かおる)
全文は下記からお読みください。
http://wezz-y.com/archives/50731/3
中国遠征中のUCLAバスケ選手3人が万引きで逮捕。トランプが習近平に頼んで釈放してもらった。その時のトランプのツイート:「トランプ大統領に感謝するか?」「良い人生をな。しかし気を付けろ、人生には困難が待ってるぞ」。さらに選手の父親が感謝の意を示さないとして、「刑務所に入れとくべきだったか」(2017年11月20日)